みなさんは「フランス人は10着しか服を持たない」という本を知っていますか?
お金をかけずに幸せになる術を知っているフランス人は、自分のお金のかけどころを決めています。
実際のフランス人は服を10着しか持っていないということはないそうですが、それでも年配の方は多くを持たず、質素な生活を送っているようです。
さて、今回は「フランス人は10着しか服を持たない」シリーズのファイナルレッスン「凛とした魅力がすべてを変える」を読み、気付いたことをまとめます。
目次
「凛とした魅力」がすべてを変える 書誌情報
本の基本情報です。
「凛とした魅力」がすべてを変える
ジェニファー・L・スコット著
神崎 朗子 訳
2017年5月 初版発行
大和書房
261p
凛とした魅力を出すには、家の片づけが最優先事項?
この本では、著者がフランスにホームステイしていたお宅のマダムシックを回想する場面がたくさん出てきます。
タンクトップにショートパンツ姿の若い女性に、パジャマの上にガウンを羽織ること、家をいつも清潔に掃除しておくこと、時間を守ること、エレガントに食事をすること、ホームパーティーで招いたゲストにおもてなしをすること。
それらをマダムシックは態度で示してきました。
ホームステイ中にエレガントで気品があり、相手を思いやる行動や立ち振る舞いの大切さを痛感した著者がまとめたのが「フランス人は10着しか服を持たない」シリーズです。
今回は凛とした魅力を持つ女性になるためのエクササイズを紹介しています。
自分のスタイルにあわせた服を身に着けること、身だしなみに気を付けること、コミュニケーションで魅了することなど、どれも基本的なことですが、すべてを身につけた女性を探すのは難しいですよね。
私はこの本を読んでいて痛烈に感じたのは、「凛とした魅力を持つ女性になるには、家の片づけが最優先事項なのでは?」ということです。
どうしてなのか説明します。
高価なものを身に着けても不潔だったら気品がない
あなたがお金持ちだったとします。
全身を高級ブティックの服で着飾り、外出したとします。
普通ならお金持ちオーラが漂うところですが、もしその服が乱雑なクローゼットから取りだされたものだったとしたらどうでしょう?
クローゼットから取りだせたなら、まだましな方ですね。
床に積み上がっている服塚から取りだした服だったとしたら、その服を身に着けたあなたはお金持ちオーラが出ている魅力のある女性でしょうか?
いえいえ、とてもじゃないけどオーラは出ないですよね(笑)
乱雑なクローゼットから取りだした服はしわがよっていてくちゃくちゃだと思うし、床から拾いあげた服にはほこりや髪の毛がまとわりついていると思います。
つまりどんなに上質なものを身に着けていても、それを仕舞っておくスペースが整頓されていなければ、その服やバッグ、靴にはほこりや汚れ、邪気が付いているということです。
外見をどれだけ取りつくっても、内面からにじみ出る気品はたった数日で醸し出せるものではありません。
カードを書いても、テーブルが乱雑なら字が乱れる
凛としてお近づきになりたいと思わせる魅力的な女性は、感謝の気持ちを伝えるのも上手です。
相手のいいところを見つけたらすぐに褒めるし、どんな小さなことでもしてもらった感謝を本人に伝えます。
何かプレゼントを頂いたとして、そのお礼のメッセージをしたためるとしましょう。
カードはデパートの文具売り場で上質なものを買い求めました。
では、さっそくメッセージを書きましょう。
書くのに使っているペンは、ノベルティのボールペンで「○○コンクール参加賞」と書いていませんか?
メッセージを書く机を拭いたのはいつでしょうか?
机の上には読みかけの本、処理の追いついていない書類や郵便物、机にあるのがふさわしくないモノが転がっていませんか?
私も経験があるのですが、乱雑な机の上では丁寧な字が書けません。
モノが置かれることでスペースが小さくなり、手首を使って字を書くことができなくなるからです。
体も斜めになっていて、出来上がりの文章が右肩上がりになることもあります。
また、飲みかけのコーヒーを倒してしまい、せっかく書いたメッセージもカードもすべてが台無しになってしまうことも。
たとえ書道の有段者であっても、乱雑な机の上では心が散らかってしまい、メッセージを書く文字に集中できないと思います。
いくら素敵にふるまえる才能を持っていたとしても、それが生かされる空間づくりができていなければ、その才能を生かすことができないんです。
だらしない部屋は思考、行動にも影響する
いらない服がたくさん詰まったクローゼットというのは、その人の頭の中が透けて見えていることと同じです。
そのクローゼットの持ち主は、頭の中も散らかっていて優先順位をつけるのが苦手なはずです。
また自制心に欠け、すぐに新しいものが欲しくなってしまうはずです。
服を捨てる、譲るという選択肢があることを知っていても、後回しにしてやらない面倒くさがり屋です。
そういう人は、往々にして人間関係でも同じような態度を取り、面倒くさいをことを後回しにして気付かないふりをし続けた結果、振り回されたくないと感じる人は離れていきます。
多くのものの情報で頭のキャパシティーもいっぱいになっており、新しい情報をインプットするスペースがありません。
自分の過去の輝かしい栄光や親世代から引き継いだ古い思考を捨てることができず、新しい時代に取り残されることだってあります。
その結果
モノがゴチャゴチャで頭が散らかっている
↓
優先順位を決められず、問題を先延ばしにする
↓
ミスや失敗をする
↓
人のせいにする、問題が起こったことに対して改めない、知らんぷりをする
↓
他人の信用を失う
↓
誰も助けてくれなくなり、自暴自棄になる
↓
欲求不満からますますモノを買い求める、モノに依存する
このような負の無限ループが始まります。
部屋のだらしなさが、結果として仕事や人付き合いでのだらしなさにつながり、気付いた時にはひとりぼっちになります。
部屋をきれいに整えると凛としたたたずまいになる
この負の無限ループを断ち切るには、反対のことをすればいいのです。
つまり、部屋の片づけをすればいいのです。
自分の部屋にあるいらないものを捨てたり、譲ったりすれば、スペースができます。
その空いたスペースには自分がずっと欲しかったもの、自分らしいと思えるもの、身に着けるとワクワクするようなものを収めます。
部屋がいつも整然としていると、来客をすぐに迎え入れる余裕ができます。
無駄な買い物をしないので金銭的な余裕ができます。
ごちゃごちゃとしたモノの山から欲しいものを探しだす時間、家事に割く時間がなくなるので、自分と向き合う時間が増えます。
モノに踊らされていたかつての時間を、大切な人を想ったり一緒に過ごす時間に変えることができます。
その結果、まめに感謝を伝えられる人、ホームパーティーをしておもてなしを楽しむ人、お気に入りの洋服に身を包み晴れやかな気持ちでお出かけできる人になります。
その人からでるオーラが、周りの人に凛とした印象を与えるのです。
片づけは周りの人のことを考える優しさにもつながる
この「凛とした魅力がすべてを変える」の本に取り上げられている例で、私が生活に取り入れようと強く思ったのが、「実家やホテルでもきちんと過ごすこと」です。
ここ1年くらいは、実家への帰省や旅行先では、泊まる場所についたらまず荷解きをし、鞄を空にすることから始めます。
以前の私は、着いたとたん鞄をボーンと放置し、着替えや必要なモノはその都度鞄をひっくり返して取りだしていました。
実家では自分で部屋を掃除するのでいいのですが、ホテルに宿泊している時もその乱雑な鞄をそのまま放置し、ルームクリーニングを迎え入れていました。
今となってはとても恥ずかしいです。
自分のことだけ考えて、お掃除してくれる人のことを全く考えていませんでした。
今は、宿泊先につくと、ホテルのチェストに着替えを曜日ごとにセットして入れておきます。
実家の場合、空いているカラーボックスを借りて1段ごとに人別に洋服を収めます。
そして床には何も落ちているものがない状態にしています。
朝起きたら、毎回ベッドメイキングをして、布団がふわっとのびのびと広がっている状態にします。
それだけで「自分はきちんとしている」という自己評価が高まり、幸せな気持ちになれます。
部屋に入るたびに、きれいな空間にうっとりします。
きれいに片づけるだけで、人の評価は上がります。
それならばやらないと損ですよね。
同じように、バッグの中や車の中も使い終わるたびにゴミを取りだし、きれいにリセットします。
自分の空間だけきれいになっていればいいと思わず、公共のトイレが汚ければ掃除をしたり、道端に落ちているゴミを拾って帰ります。
片づけの繰り返し、日々の鍛錬が、凛とした印象を与え、自信に満ち溢れた気品あるオーラを作りだすのではないでしょうか?
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