ゼロ・ウェイスト

愚かで自分勝手な人間のゴミを毎日拾った犬、もも子の話

私は近所の散歩や公園を散策する時に、必ずゴミ袋を持参してゴミを拾ってくることを習慣にしています。

歩いている時に限らず、買い物に行ったスーパーで自転車置き場に転がっているペットボトルやレシートを拾ったり、出先のトイレで床に散らばっているトイレットペーパーを捨てたり、自分が使っている場所をきれいにするように心がけています。

どうしてそのようなことを始めたのかというと、マイクロプラスチックを出したくないという気持ちが強くなったからです。

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マイクロプラスチックとは?

河川を流れ海にたどり着いたプラスチックや海岸線に捨てられたプラスチックは、マイクロプラスチックとなり、動物や魚の体内に取り込まれます。

日本人の体内からもマイクロプラスチックが排出されたというニュースを見ました。

マイクロプラスチックの問題もあるし、廃プラスチックゴミを中国が輸入を制限し、日本の大量のプラスチックゴミが行き場をなくして、処理場ではうずたかく積み上げられています。

このプラスチック問題を何とかしたい!

私にもできることはあるだろうかと考え、ゼロ・ウェイストな暮らしに取り組んでいます。

ゼロ・ウェイストって何?すぐに取り入れられるごみを出さない工夫ゼロ・ウェイストという言葉を聞いたことはありますか? ゼロ・ウェイストとは、ゴミを出さない暮らしのことです。 アメリカのジョ...

でも、日本だと食品はほぼプラスチック包装されていて、プラスチック包装のない食品を買うと決意することは、イコール餓死を意味します。

自給自足生活をしている人でないとプラスチックゴミを出さない生活は無理です。

私は果物や野菜など、なるべく包装のない裸のまま売られているものを選ぶようにしたり、お肉や魚のパックを包むビニール袋をもらわないように風呂敷を持参し、風呂敷にパックを包んで持ち帰ったりしています。

それでもやはり限界がある。

では、マイクロプラスチックを作らないために私にできることはあるかな?と考えた時、せめて川にゴミが飛んで行って流されないように、道端に落ちているゴミを拾おうと考えました。

道路も公園も、町のお店もみんなありがたく使わせてもらっているみんなの共有スペースです。

これからも使わせてもらうために、少しでもきれいになるようにと思い、ゴミ拾いに取り組んでいます。

ゴミを拾っていると、捨てられているのは大抵大人の嗜好品です。

エナジードリンクの缶、たばこの吸い殻、テイクアウトのコーヒーの入れ物、持ち帰り弁当のパック、湿布など子供が捨てたとは考えにくいものばかり捨てられているのです。

最近では一緒に散歩をする娘も、率先してゴミを見つけて拾ってくれるようになりました。

5歳児の「もう、誰が捨てるんだろうね?道はきれいにしないといけないね」の言葉が胸にグサリを刺さります。

ゴミ拾いをするようになって1か月、図書館で惹かれるタイトルの本に出合いました。

それが、「ごみを拾う犬もも子」です。

散歩の途中川に入ってゴミを拾う犬

もも子はお寺の住職に飼われているゴールデン・レトリバーです。

散歩の途中で立ち寄る川に飛び込んで泳ぎ、ゴミを拾うのが日課です。

この本にはもも子が実際にゴミを拾っている様子、口に咥えてゴミを運ぶ様子の写真も載っています。

児童書なので文章もわかりやすく、写真も多く使われていて、大人の私は20分くらいで読み終えました。

読み終えて一人涙しました。

なんて人間は自分勝手で愚かなんだろうと情けなくなりました。

川に捨てられた様々なもの

川にはいろんな人がいろんなものを捨てに来ます。

中には住職ともも子がゴミを拾っている様子を見ているのに捨てていく人もいたそうです。

もも子はもちろん犬ですから、文字が読めません。

犬だから漢字が読めなくて理解できない危険な農薬の袋を拾ってきたり、割れたガラスが足に刺さって血が止まらなくなったりもしました。

台風で増水した川にもも子が流されたり、ネズミ捕りの強力粘着テープが毛に貼りついたりしたこともありました。

ゴミ拾いはいつも危険と隣り合わせです。

様々なゴミが捨てられている中、中には動物がゴミ袋に入れられて流されてくることもありました。

少年が橋から猫を真冬の川に落とし、石を投げつけていることもありました。

人間が自分の都合しか考えず好き勝手やって捨てたゴミを拾って、時には仲間が殺されたりいじめられているのを見て、犬のもも子はどんなふうに思っていたのでしょうか?

ゴミ拾いだけでなく、多くの人の心を助けたもも子

もも子はゴミ拾いだけではなく、セラピー犬としても活躍しました。

学校にゴミを捨てないよう啓発講演に出かけたり、障害のある子供たちが犬に触れる機会がないと聞いた住職が犬仲間を連れて訪問したり、少年院の子供たちに更生のきっかけとなるよう訪問したり、近所の子供たちと一緒にゴミ拾いをしたこともありました。

テレビの取材を受けたり、こうして本も出版され、みんなに愛されたもも子は13歳で亡くなりました。

 

私も犬に助けられた一人です。

私は社会人1年目にうつ病を発症し、一人暮らしの部屋から実家に身を寄せて2年間療養生活を送りました。

何に対しても気力を持てず、生きていても仕方ないと思っていました。

そんな私が元気になるきっかけとなったのが、ペットショップで売れ残っていたミニチュア・ダックスフントです。

クリーム色のきれいな毛並み、高貴な顔立ちの彼がなぜずっと売れ残っていたのかはわかりませんが、彼が家にやってきて、私の人生はまた色とりどりの世界を取り戻しました。

嫌なこと、つらいことがあっても、寄り添って静かに泣く私を受け止めてくれる大切な家族。

そんな彼も、もも子が亡くなった13歳と同じ年になってしまったんだな~と思いを馳せ、自分勝手にゴミを捨てた愚かな人間への憤りと、もも子への愛情と、私の命の恩人の愛犬との別れにカウントダウンが付き始めたことなどの感情がごちゃ混ぜになり、一人涙してしまいました。

児童書なのはもったいないです。

子どもだけでなく、ぜひ大人に読んでほしい。

ゴミをポイ捨てしているのは大人なんですから。

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普通の人でも何かできることはあると思う

最近では外食産業でも、マイクロプラスチックの問題を受けて使い捨てストローを排除する動きが高まってきました。

ストローは単なる象徴に過ぎません。

私たちが使い捨てにしているものはたくさんあります。

外食だけ見ても、割りばし、おしぼり、調味料の小袋、広告シート、ジュースなどの使い捨て容器、紙ナプキンなど、食事の終わったテーブルを見ると使い捨てされたゴミだらけです。

特にチェーン店では顕著で、昔ながらの食堂などでは小鉢やミルクカップ、シュガーポットなど、プラスチック素材でない入れ物で提供されています。

早くて便利で安価を求めると、ゴミが多く出るのでしょうか?

安いはずなのに、モノを使い捨てしてお金をポイ捨てしてしまっていることに、どれくらいの人が気付いているでしょうか?

一人ひとりが今すぐ始められることがあります。

ゴミをポイ捨てせずに自宅に持ち帰る

きちんと分別しなるべくただ捨てるだけのゴミを出さない

譲ったり売ったり寄付できるものは使ってくれる人のところへ回す

テイクアウト商品を買わない

水筒やマイ箸、マイおしぼりを持参する

食べ残しを出さないように注文しすぎない、量を減らしてもらう

買い物はどこへでもエコバッグを持っていき、レジ袋をもらわない

個包装よりも大袋など包装の少ないものを選ぶ

すぐにゴミになるようなガラクタ(特に100円ショップ)を買わない

はじめから不要なものは買わない

これらは今日からでもすぐに実践できることです。

すでに実践している人も多いので、人の目も気にせずにできるでしょう。

たった一人の心がけだけど、それが100人、1000人、10000万人と広まったら、その効果は大きいはずです。

そういう思いから、私は今日もゴミ拾いをします。

「新装改訂版 ごみを拾う犬 もも子」

中野 英明 著

ハート出版

127p

2015年12月 初版発行

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ABOUT ME
つばき
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子供二人を持つ40代主婦です。 ゆるミニマリスト。 読書とハロプロをこよなく愛しています。